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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
えっ……
二人は固まり、丸い目で益田を見た。
遼は顔の強張りを隠そうと口角を上げ、咲はすまし顔で瞬きを繰り返した。
「ははは、私もそう思うよ。まあ、大事なのは二人の気持ちだからね。そっとしておきましょうや益田さん。はっはっは……」
「これは出過ぎた事を言ってしまい、申し訳ありません」
益田は背筋を伸ばし二人に浅く頭を下げたが、遼から視線を外さなかった。
「いえ、……私は小さい頃からずっと遼さんの背中だけを見てたので、そんな風に言って貰えるとすっごく嬉しいです」
咲は益田を通して遼に思いを打ち明けていた。遼は焦り、咲の気持ちを躱(かわ)す 言葉を探した。
「こらこら咲、遼君を困らせるんじゃない。彼は今仕事しか頭に無いよ、大きな仕事を成功させる為に気を張ってるんだから邪魔はいかん。……すまんな遼君」
「いえ……」
「ご、ごめんなさい遼さん」
父に諭され、慌てて謝る咲の額がこつんとテーブルに当たった。
「痛っ! いったぁーい」
「さ、咲ちゃん大丈夫?」
遼が額を押さえている咲を覗き込んだ。
二人は固まり、丸い目で益田を見た。
遼は顔の強張りを隠そうと口角を上げ、咲はすまし顔で瞬きを繰り返した。
「ははは、私もそう思うよ。まあ、大事なのは二人の気持ちだからね。そっとしておきましょうや益田さん。はっはっは……」
「これは出過ぎた事を言ってしまい、申し訳ありません」
益田は背筋を伸ばし二人に浅く頭を下げたが、遼から視線を外さなかった。
「いえ、……私は小さい頃からずっと遼さんの背中だけを見てたので、そんな風に言って貰えるとすっごく嬉しいです」
咲は益田を通して遼に思いを打ち明けていた。遼は焦り、咲の気持ちを躱(かわ)す 言葉を探した。
「こらこら咲、遼君を困らせるんじゃない。彼は今仕事しか頭に無いよ、大きな仕事を成功させる為に気を張ってるんだから邪魔はいかん。……すまんな遼君」
「いえ……」
「ご、ごめんなさい遼さん」
父に諭され、慌てて謝る咲の額がこつんとテーブルに当たった。
「痛っ! いったぁーい」
「さ、咲ちゃん大丈夫?」
遼が額を押さえている咲を覗き込んだ。