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我が運命は君の手にあり
第2章 第二章
玄関脇のドアを横目に冷たく薄暗い廊下を進む。階段の昇り口や手洗いらしきドアをそわそわと確認しながら家政婦のあとに続いた。

「こちらです」

廊下に膝を付いた彼女が「旦那様、お連れしました」と襖越しに声を掛けた。

「お通しして」

その声を耳にしたとたん、昨日の悪夢が蘇った。と同時に、耳に熱い吐息がかかった。

――君は待っているのか……

「どうぞお入りください」

開かれた襖の向こうから明るい光が差し込んできた。

「よくきたね。そこは寒いだろう、中に入りなさい」
「は、はい。失礼します」

襖が閉じられ、冴子は二十畳はありそうな和室にぽつりと立った。雪見障子に映る庭には、冬枯れの芝生が眩しく輝いている。

「まあ座って」

冴子はその場に正座し、両手を揃えて平伏した。

「昨日は私の不注意で大切な物を壊してしまい、本当に申し訳……」
「もっとこっちへ」
「は、はい」

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