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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
――すぐ会いたい。これから向かいます

気付くかわからないメールを送信し、彼は冴子のアパートに向かった。もう眠っているだろうが無理を通したい。いつになく非常識な自分を別の自分が後押しした。自信がそうさせていた。いつだって会いに行けばいい。彼女もそれを望んでいる。

アパート前の駐車場に車を止め、明かりの消えた部屋を見上げた。逸る気持ちで階段を上がってチャイムを鳴らすと、廊下に面した窓に明かりが点った。

「どなたですか?」

冴子の声がする。

「俺、夜中に起こしてごめん」
「遼さん」

鍵が開く気配がしてすぐ、遼がドアを引いた。「どうしたんですか?」と言う冴子は、パジャマの上にカーディガンを纏っていて化粧っけもない。意外と幼い感じがした。眠気のせいでぼんやりと立つ姿が可愛らしく、遼は靴を脱ぐ前に抱き締めてしまった。

「あ、あの」

シャンプーの香りが胸を擽った。

「会いたかった……」

柔らかな身体は温かく、腕の中で僅かに震えている。胸に感じる豊かな膨らみと女のしなやかさが、早くも彼の理性を打ち砕いた。

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