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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
「もちろんさ。取材の日に来るといい」
「やったー。おめかししなくっちゃ、ね、野田さん」
「うん。雑誌に載せてもらえるかも、うふっ」
「どうせなら秋津さんみたいに着物が着たいなぁ。でも次の花展は夏か」
益田は彼らのやり取りをじっくりと観察していた。
「皆さん仲がいいんですね」
遼が「ええ」と頷いた。
「今日は秋津さんという方はいらっしゃらないんですか?」
益田が誰とはなしに訊ねた。
「残念ながら」
遼が答えたのは、皆が夏の着物の話で盛り上がっていたからだった。
「彼女はどうも、こういう場が苦手らしいんです。益田さんに会わせたかったんてすけどね、俺としては」
「ほう……」
益田はそれ以上何も言わなかった。若いスタッフ達と向き合い、染井流の良さや各教室の取り組みなど、答え易い質問で距離を縮めていった。
「いやぁ、お家元、先が楽しみですねぇ。この明るい雰囲気、これは大事ですよ。師範の方達への敬意も感じられますし」
「ありがとうございます」
「先代から受け継ぐ責任は重いでしょうが、綾辺社長という力強い後ろ楯もありますし、盤石の構えですね」
「やったー。おめかししなくっちゃ、ね、野田さん」
「うん。雑誌に載せてもらえるかも、うふっ」
「どうせなら秋津さんみたいに着物が着たいなぁ。でも次の花展は夏か」
益田は彼らのやり取りをじっくりと観察していた。
「皆さん仲がいいんですね」
遼が「ええ」と頷いた。
「今日は秋津さんという方はいらっしゃらないんですか?」
益田が誰とはなしに訊ねた。
「残念ながら」
遼が答えたのは、皆が夏の着物の話で盛り上がっていたからだった。
「彼女はどうも、こういう場が苦手らしいんです。益田さんに会わせたかったんてすけどね、俺としては」
「ほう……」
益田はそれ以上何も言わなかった。若いスタッフ達と向き合い、染井流の良さや各教室の取り組みなど、答え易い質問で距離を縮めていった。
「いやぁ、お家元、先が楽しみですねぇ。この明るい雰囲気、これは大事ですよ。師範の方達への敬意も感じられますし」
「ありがとうございます」
「先代から受け継ぐ責任は重いでしょうが、綾辺社長という力強い後ろ楯もありますし、盤石の構えですね」