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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
ビルの駐車場に車を止めた遼は、「この一階を借りています」と、益田を案内する。自動ドアを抜けてエレベーターの前を過ぎ、『華道染井流 事務局』と書かれたドアを開いた。
「まあ、お家元、お疲れ様です。そちらは益田さんですね、お待ちしてました」
ドア近くにいた守沢直美がにこやかに出迎える。
遼が皆に益田を紹介すると、すでに面識のある野田いずみと糸川舞、それに、二人から話を聞いていたパートの向井と田島が、「いらっしゃいませ」と声を揃えたが、そこに冴子の姿はなかった。
「あれ、秋津さんは?」
「お砂糖を切らせてしまってコンビニにへ。でも直ぐに戻ってきますよ」
守沢はそう答えつつ、益田が手にした箱にちらりと目をやった。
「これ、三時のおやつに皆さんでどうぞ。あぁ、ちょうどコーヒーの香りがしますね」
「まぁまぁ、わざわざありがとうございます。えぇそうなんです、益田さんの為にコーヒーを、ほほっ」
「え、俺の為じゃないの?」
「あらやだ、ふふっ、もちろんお家元の分もありますよ。舞ちゃんお願いします」
「はーい」
守沢からケーキを受け取った糸川は、益田に礼を言って給湯室に入り、続いて野田いずみが嬉しそうに入っていった。
「まあ、お家元、お疲れ様です。そちらは益田さんですね、お待ちしてました」
ドア近くにいた守沢直美がにこやかに出迎える。
遼が皆に益田を紹介すると、すでに面識のある野田いずみと糸川舞、それに、二人から話を聞いていたパートの向井と田島が、「いらっしゃいませ」と声を揃えたが、そこに冴子の姿はなかった。
「あれ、秋津さんは?」
「お砂糖を切らせてしまってコンビニにへ。でも直ぐに戻ってきますよ」
守沢はそう答えつつ、益田が手にした箱にちらりと目をやった。
「これ、三時のおやつに皆さんでどうぞ。あぁ、ちょうどコーヒーの香りがしますね」
「まぁまぁ、わざわざありがとうございます。えぇそうなんです、益田さんの為にコーヒーを、ほほっ」
「え、俺の為じゃないの?」
「あらやだ、ふふっ、もちろんお家元の分もありますよ。舞ちゃんお願いします」
「はーい」
守沢からケーキを受け取った糸川は、益田に礼を言って給湯室に入り、続いて野田いずみが嬉しそうに入っていった。