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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
益田はどんな場面でも上手く立ち回る術を身に付けている。相手を持ち上げ、時にはジョークを交えて懐に入る。遼には真似できないものだった。
「お家元、本城師範から連絡がありました。準備万端だそうです」
冴子は周囲と一緒になってはしゃいだりはしない。無関心なのではなく、微妙に距離を取っている。いつも通りの彼女に安心した遼は、信頼の視線を送った。
「ありがとう。益田さんを送ったらすぐに向かいます」
「はい、よろしくお願いします」
(冴子は益田など眼中にない)
「そうだ、皆さんに名刺をお渡ししておきます」
益田はデスクを回り、「よろしく」と言いながら名前を聞いている。教室をいくつか案内してきた遼は、師範以外の者に名刺を配っている彼を訝しげに眺めた。
「秋津さん、下のお名前は?」
「冴子です」
「秋津冴子さん、よろしくお願いします。では皆さん、なにかありましたらいつでもご連絡を。美味しいコーヒーごちそうさまでした」
「お家元、本城師範から連絡がありました。準備万端だそうです」
冴子は周囲と一緒になってはしゃいだりはしない。無関心なのではなく、微妙に距離を取っている。いつも通りの彼女に安心した遼は、信頼の視線を送った。
「ありがとう。益田さんを送ったらすぐに向かいます」
「はい、よろしくお願いします」
(冴子は益田など眼中にない)
「そうだ、皆さんに名刺をお渡ししておきます」
益田はデスクを回り、「よろしく」と言いながら名前を聞いている。教室をいくつか案内してきた遼は、師範以外の者に名刺を配っている彼を訝しげに眺めた。
「秋津さん、下のお名前は?」
「冴子です」
「秋津冴子さん、よろしくお願いします。では皆さん、なにかありましたらいつでもご連絡を。美味しいコーヒーごちそうさまでした」