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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
五人は次々に戸口まで送りに来たが、冴子は彼女達の後ろにいた。遼と目が合うと、小さく頷いて頭を下げた。切なさが垣間見え、益田に対して優越感を覚えた。ヤツは冴子を知らない。俺だけが彼女の笑顔や気遣い、うちに秘めたものを知っている。

「ではまた改めてお伺いします。お邪魔しました」

「お待ちしてまーす」

偶然揃った声にまた盛り上がっている。

「あとはよろしく。いってきます」

「はい、いってらっしゃいませ」

ドアを出る間際に振り向き、再び冴子と見つめあった。彼女ははっとして目を逸らせ、何も起きなかったように頭を垂れた。
遼は確信した。心は離れていない。冴子は俺を愛していて、だからこそ思い悩んでいる。それを解消できるのは俺だ。もっと大きくならなければならない、押しも押されもしない者に――




助手席に座った益田がさっそく切り出した。

「彼女のどこが好きですか?」

「え?」

「やだな、秋津さんですよ」

その軽い言い回しにむかついた遼は、眉間に皺を寄せた。

「全てです」

「ほぅ、全てですか」

「えぇ」

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