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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
「……こ、これは祖母が、祖母がずっと前に、まだ元気な頃に……趣味で作った物で……」
「やっぱりそうか、 淡い緑色が凄くいいね。手作りって、温かみがあって俺も好きなんだ」
「こ、これは、二つあって、……ひとつは祖母の所に……」
俯いた冴子の声は上擦り、肩が震えていた。
「お婆様に何かあったの?」
「え……、いえ何も、大丈夫です」
笑顔は強張り唇が震えていた。施設に通いつめ、呆けていく祖母を見守る冴子。その祖母が亡くなったら天涯孤独になってしまう。彼女は耐えられるのか。
彼は冴子の後ろに立ち、そっと抱き締めた。
「お婆様はまだまだ元気なんだし、いつでも会いに行けるじゃないか。冴子には俺がついてる、だろ? 忘れないでくれよ」
冴子は涙を堪えていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい私……」
「いいんだ、全然構わない。かえって嬉しいよ、二人の距離が縮まったみたいだ、ははっ。本当になにも心配しなくていいから、俺が……」
必ず君を幸せにする――
遼は飲み込んだ言葉を噛み締め己の胸に誓った。
「やっぱりそうか、 淡い緑色が凄くいいね。手作りって、温かみがあって俺も好きなんだ」
「こ、これは、二つあって、……ひとつは祖母の所に……」
俯いた冴子の声は上擦り、肩が震えていた。
「お婆様に何かあったの?」
「え……、いえ何も、大丈夫です」
笑顔は強張り唇が震えていた。施設に通いつめ、呆けていく祖母を見守る冴子。その祖母が亡くなったら天涯孤独になってしまう。彼女は耐えられるのか。
彼は冴子の後ろに立ち、そっと抱き締めた。
「お婆様はまだまだ元気なんだし、いつでも会いに行けるじゃないか。冴子には俺がついてる、だろ? 忘れないでくれよ」
冴子は涙を堪えていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい私……」
「いいんだ、全然構わない。かえって嬉しいよ、二人の距離が縮まったみたいだ、ははっ。本当になにも心配しなくていいから、俺が……」
必ず君を幸せにする――
遼は飲み込んだ言葉を噛み締め己の胸に誓った。