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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
花展初日の朝、デパートの催事場はすっかり準備が整い、開場を待つだけとなっていた。スタッフへの挨拶を終えた遼が受付にやって来た。
「ご苦労様です、そろそろ時間だけど準備はどう?」
「はいっ、いつでも大丈夫です!」
「お家元、お任せください!」
野田も糸川も、自信満々の表情だ。今朝は早くから来て冴子に仕事の流れを教わり、客の役を交代で演じて案内の練習を重ねていた。
「頼もしいな。ん? 秋津さん、今日は着物じゃないんだね」
「はい、私は補佐役なので」
「お家元、最終日には私達が着物を着ますから楽しみにしていてくださいね、ふふっ」
野田が茶目っ気たっぶりに言うと、「そうなんです、きっとびっくりしますよ」と糸川が調子を合わせる。
「それは楽しみだな。よろしくお願いします」
「はーい」
パンフレットや体験希望の用紙が置かれたカウンターの奥では、既にボットにお湯が沸き、空の紙コップがいくつか並んでいる。冴子は北沢から教わった通りに二人に手順を伝え、あとは後ろで見守る事にした。
「ご苦労様です、そろそろ時間だけど準備はどう?」
「はいっ、いつでも大丈夫です!」
「お家元、お任せください!」
野田も糸川も、自信満々の表情だ。今朝は早くから来て冴子に仕事の流れを教わり、客の役を交代で演じて案内の練習を重ねていた。
「頼もしいな。ん? 秋津さん、今日は着物じゃないんだね」
「はい、私は補佐役なので」
「お家元、最終日には私達が着物を着ますから楽しみにしていてくださいね、ふふっ」
野田が茶目っ気たっぶりに言うと、「そうなんです、きっとびっくりしますよ」と糸川が調子を合わせる。
「それは楽しみだな。よろしくお願いします」
「はーい」
パンフレットや体験希望の用紙が置かれたカウンターの奥では、既にボットにお湯が沸き、空の紙コップがいくつか並んでいる。冴子は北沢から教わった通りに二人に手順を伝え、あとは後ろで見守る事にした。