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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
その日、野田と糸川は落ち着いて役目を果たし、無事終了時刻を迎えた。無料体験の申込書やアンケート用紙を整理してまとめ、冴子に手渡した。

「秋津さん、ここは私達二人で大丈夫ですので、事務局に戻って構いませんよ。私達は直帰ですし」

「そう? じゃあ、お願いしようかな」

冴子は奥でスタッフと打ち合わせをしている遼の所へ、「お先に失礼します」と挨拶をしに行った。

「あぁ、事務局まで送るよ」

「いえ、駅も近いですし……」

「遼さんお疲れ様です」

咲の声がした。振り向くと、咲の後ろに益田が立っていた。

「ふふっ、益田さんに送ってもらっちゃったんです」

「どうも、お疲れ様です。綾部社長のお宅にお邪魔してたんですが、咲さんがこちらに向かう所だとおっしゃるのでお連れしました」

益田は遼に説明しながら冴子に視線を向けた。

「そうですか、ご苦労様です」

「咲さんいらっしゃい」

「秋津さん、受付の人変わったんですか?」

ぱっちりとした素直な瞳だった。


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