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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
「えぇ、野田さんと糸川さんです。今日は大活躍でした。お陰様で、私はひと足先に失礼する所なんです。どうぞごゆっくりなさってください。では」
冴子は笑顔でそこを離れ、野田にお茶を出すよう頼んだ。
「はい、了解です。噂の咲お嬢様ですね。まさに美男美女のカップル」
「可愛くて見とれちゃう」
「とてもしっかりしたお嬢様よ。では、私はこれで失礼します。二人とも慣れない中で良くがんばったわ、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」
「はい、明日もがんばります」
「お疲れ様でした」
書類を入れた紙袋を持ち、冴子は会場を後にした。こちらを気にしている遼と益田の視線にも、振り返らなかった。
エレベーターに乗り込むと、ドアが閉まる直前に益田が飛び込んできた。
「よかった間に合った。……どうも」
「……どうしたんですか?」
「事務局まで車で送りますよ」
ドアが閉まり、エレベーターが動きだした。次の階で客が三人降り、二人きりになってしまった。
「お気遣いなく、駅が近いので電車にします」
冴子は笑顔でそこを離れ、野田にお茶を出すよう頼んだ。
「はい、了解です。噂の咲お嬢様ですね。まさに美男美女のカップル」
「可愛くて見とれちゃう」
「とてもしっかりしたお嬢様よ。では、私はこれで失礼します。二人とも慣れない中で良くがんばったわ、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」
「はい、明日もがんばります」
「お疲れ様でした」
書類を入れた紙袋を持ち、冴子は会場を後にした。こちらを気にしている遼と益田の視線にも、振り返らなかった。
エレベーターに乗り込むと、ドアが閉まる直前に益田が飛び込んできた。
「よかった間に合った。……どうも」
「……どうしたんですか?」
「事務局まで車で送りますよ」
ドアが閉まり、エレベーターが動きだした。次の階で客が三人降り、二人きりになってしまった。
「お気遣いなく、駅が近いので電車にします」