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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
「……っ!」

車が走り出した。

「おっと、閉じないでください。その写真は芸術作品なんですから」

「いえ、私はこういうものに興味はないので」

「そうかな」

そこに見たのは、スポットライトの中、両手を後ろ手に縛られ、膝立ちでこちらを見つめる裸の女だった。乳房の上下に赤い縄が幾重にも走り、小ぶりのそれが窮屈そうに突きだしている。膝が開いているせいで、薄い陰毛まで写っていた。

「こういうのを好む人がいるんですよ。性癖とでも言うんですかね。そこで、しがないカメラマンの僕にお呼びが掛かるんです。非公開のショーに呼ばれたりもします。社会的地位の高い人ばかりで驚きますよ。要するに秘密は守られるわけです。独特の雰囲気でなかなか興味深いし金になる。もちろん食べていく為ですよ、ははっ」

冴子は窓の外に目を向けた。この男がなぜこんなものを見せるのか理解出来ない、だが胸騒ぎがする。車はゆっくりとコンビニの駐車場に入った。

「煙草を切らせてしまったので、ちょっと寄り道します。それに、ここでしか出来ない話があるんです」

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