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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
薄闇の中、光と影を纏った凌辱のシーンが次々と現れ、それは衝撃を伴って冴子の脳裏に蓄積していった。
目を逸らす事を忘れた冴子の鼓動は高鳴り、切ない情欲に喘ぐ女達の顔が自分と重なっていく。

「目が釘付けになった作品があるんです」

益田は風景画を観ているかのように落ち着き払っていた。

「あぁあった、これです」

「……っ!」

冴子の息が止まった。

(嘘、嘘、嘘、なぜ、どうして……)

自分がそこにいた。男性器に似せた黒い物体を咥え、妖しい視線で誘う女。

「僕は彼女のここがたまらなく好きなんです」

益田が女の赤い唇を指でなぞった。

「やめてください!」

「これあなたでしょう? この唇」

「違いますっ、私じゃありません」

そのページを隠そうと慌てて次を捲った。

「っ!」

女陰に花を生けられた女がいた。

「顔が写っていないのは残念ですが、見てくださいこの素晴らしい身体。乳房の形といい、太腿の白さといい……」

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