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我が運命は君の手にあり
第2章 第二章
高校卒業間近になって、健康だけが取り柄だった祖母が体調を崩し、入退院を繰り返すようになった。
日常生活は祖母を中心に回り始め、冴子は通院に付き添う一方、卒業後は仕事を掛け持ちして家計を支えた。当然、成人式で振り袖を着ることなど望むべくもなく、式への案内状は封を切ることなく破り捨ててしまった。

ままならない私の人生……
冴子はそう思いながら生きてきた。頼る身内やあてもなく、仲の良かった友人とは疎遠になった。昔付き合っていた男は家庭を持ち、子供を写した年賀状を送ってよこす。退職した元同僚は、生後間もない赤子を抱え、誇らしげに茶菓子の差し入れにやってくる。

恋愛、結婚、離婚、同年代の女が集まれば話題には事欠かない。冴子はそこからはみ出していた。いつしか食事の誘いもなくなり、祖母の待つアパートと職場を往復するだけになっていた。
今年八十二になる祖母は足が弱くなり、痴呆が認められる。公的施設の空きを待つのにあとどれ程の時間を費やすのか。自分の未来はいったい……

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