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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「お家元、お願いがあるんです。秋津さんを呼んで頂けませんか? 今回本当にお世話になって」
野田の隣で糸川が頷いた。
「そうなんです。お陰で凄くいい経験になりました。二人で選んだプレゼントも渡したいし……」
「とにかくお礼が言いたいんです」
「そういえば、私も秋津さんにはずいぶん会ってないわ」
二人に加えて多部にも頼まれた遼は、「じゃあ、あとで連絡してみます」と言ってその場から離れた。
冴子には会いたかった。だが、打ち上げには咲と益田が同席する。それを思うと気が進まなかった。
(彼女は誘ってもきっと遠慮するだろう)
終了時刻を迎え、スタッフ達が片付けを始めた。
「お家元、少しよろしいですか?」
会場の入口で電話をかけようとした遼を、本城が呼び止めた。
「はい」
「お家元が電話に出ないからって、今、守沢さんが私に連絡してきたんですけど」
遼の着信履歴に“事務局“の文字があった。
「あ、ほんとだ。スタッフと話してて気付きませんでした、ははっ。何の用だろう」
「秋津さんが退職願いを出したそうです」
野田の隣で糸川が頷いた。
「そうなんです。お陰で凄くいい経験になりました。二人で選んだプレゼントも渡したいし……」
「とにかくお礼が言いたいんです」
「そういえば、私も秋津さんにはずいぶん会ってないわ」
二人に加えて多部にも頼まれた遼は、「じゃあ、あとで連絡してみます」と言ってその場から離れた。
冴子には会いたかった。だが、打ち上げには咲と益田が同席する。それを思うと気が進まなかった。
(彼女は誘ってもきっと遠慮するだろう)
終了時刻を迎え、スタッフ達が片付けを始めた。
「お家元、少しよろしいですか?」
会場の入口で電話をかけようとした遼を、本城が呼び止めた。
「はい」
「お家元が電話に出ないからって、今、守沢さんが私に連絡してきたんですけど」
遼の着信履歴に“事務局“の文字があった。
「あ、ほんとだ。スタッフと話してて気付きませんでした、ははっ。何の用だろう」
「秋津さんが退職願いを出したそうです」