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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「まぁお家元、お疲れ様です。聞いてくださいよ、凄いんです。今回は無料体験の希望者が、前回より十五人も増えて……」
遼は軽く舌打ちをした。
「秋津さんは?」
「あぁそうでした。秋津さんの事なんですけど……。お聞きになったかもしれませんが、じつは、彼女ったら突然……」
「それは本城師範から聞きました。で、彼女は?」
「はい、十分程前に帰りました。おそらくお婆ちゃんのところに行ったと思いますよ。まったく彼女ったら、私が理由を訊いても、祖母の事でちょっと、って言うばかりで。でもどうなんでしょうねぇ、こちらが無理に引き留めるわけにも……」
話の途中で電話を切った遼は、すぐに冴子の番号にかけ直した。
(なぜ、なぜだ……)
永遠に続きそうな呼び出し音を二度打ち切り、三度目をかけ直した遼の肩に、ずっしりと重い手がのった。
「お家元、皆さん締めの挨拶を待ってるみたいですよ」
益田の落ち着いた声に、遼は携帯を閉じて振り向いた。
遼は軽く舌打ちをした。
「秋津さんは?」
「あぁそうでした。秋津さんの事なんですけど……。お聞きになったかもしれませんが、じつは、彼女ったら突然……」
「それは本城師範から聞きました。で、彼女は?」
「はい、十分程前に帰りました。おそらくお婆ちゃんのところに行ったと思いますよ。まったく彼女ったら、私が理由を訊いても、祖母の事でちょっと、って言うばかりで。でもどうなんでしょうねぇ、こちらが無理に引き留めるわけにも……」
話の途中で電話を切った遼は、すぐに冴子の番号にかけ直した。
(なぜ、なぜだ……)
永遠に続きそうな呼び出し音を二度打ち切り、三度目をかけ直した遼の肩に、ずっしりと重い手がのった。
「お家元、皆さん締めの挨拶を待ってるみたいですよ」
益田の落ち着いた声に、遼は携帯を閉じて振り向いた。