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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「野田さん達が言ってますよ、お腹空いたーって、ははっ。ん? お家元……どうしたんです、 何か急用でも」

「いえ、……戻ります」

強ばる顔で無理に微笑んだ遼は、スタッフの前に立ち、感謝と労いの言葉を述べた。誇らしげに胸を張る彼らを前に、芝居じみた台詞で未来と夢を語り、皆を激励した。

「本城師範、例の店に話は通していますので、このあとみんなをお願いします」

「え、それは構いませんけど、お家元は?」

本城の肩越しに咲の顔が覗いた。

「急な打ち合わせが入ったので、ちょっといってきます」

出口に向かう彼を本城が呼び止めた。

「お家元、いつ頃戻って来られますか? 今日は益田さんと咲さんがご参加くださるんですから……」

本城は、バッグにしまった茶封筒をちらりと見せた。

「あのう、本城師範、私なら大丈夫ですよ。遼さん、私、遼さんの分も食べちゃいますね。ふふっ、いってらっしゃい、気を付けて」

「咲ちゃんごめんね」

遼は小走りでエレベーターに向かった。
下りのボタンを押し続けている遼に、益田が追い付いた。彼は咎めるように遼を見つめ、眉間にしわを寄せていた。

「いったいどこへ行くんです、本当に仕事ですか?」

「あなたに関係ないでしょう」

「食事会の様子を綾辺社長に訊ねられるのは僕ですよ」

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