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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
ハンドルを握る手に力が入った。疑問、落胆、怒りが入り交じり、冷静になれと自分に言い聞かせる。

「益田……」

取材の折、遼の生け花にカメラを向けた益田は、「凄い、家元としての気概が感じられます。これは素晴らしい」と、あらゆる角度からシャッターを切っていた。また、師範やスタッフ達が、遼の作風が変わったと噂し、評価している様子を何度も目にした。
彼は型にはまっていた自分を解き放ち、闘志にも似た強い覚悟と、掴み取るべき未来を見据えて花を生けた。それが高く評価されという事は正に、冴子あってこそだった。

「なぜ邪魔をするんだ……嫉妬か?」

彼は益田に怒りを感じる一方で、冴子の心情を推し測った。肩身が狭かったに違いない。咲の事を気にしていたし、スタッフらの噂話にも不安を覚えただろう。周囲に悟られないよう、控えめに振る舞っていた姿が浮かぶ。

「そうだ、……周りを気にする必要がなくなるって事だ、よしっ」

闇に光を見つけた彼は、青の交差点を走り抜けた。

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