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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「……染井、染井流三代目、あっ、生け花の」
「はい」
「まぁ、大変失礼致しました。どうぞ、お部屋までご案内します」
エレベーターに乗ると、小山は愛想よく喋りだした。
「うちの施設長が、よくお父様の事をお話になるんですよ」
「古くからの友人ですからね」
「えぇ、ここが開設した時には素晴らしい生け花をたくさん飾って頂きましたし……。ところで染井様、今日は何か」
「はい、じつは仕事のことで、至急冴子さんに連絡を取りたかったんですが、携帯が繋がらないもので」
「まぁ、それは大変」
「彼女の同僚に、ここに向かったと聞いたものですから」
「そうだったんですか。私は交代要員で今来たばかりで……あ、着きました、こちらにどうぞ」
施設内は清潔に保たれ、廊下は車椅子数台が余裕をもってすれ違える。広い共有スペースでは、テレビを見ている者や、介護者と折り紙を楽しむ者がいる。冴子の姿を探したが、そこには見当たらなかった。
「はい」
「まぁ、大変失礼致しました。どうぞ、お部屋までご案内します」
エレベーターに乗ると、小山は愛想よく喋りだした。
「うちの施設長が、よくお父様の事をお話になるんですよ」
「古くからの友人ですからね」
「えぇ、ここが開設した時には素晴らしい生け花をたくさん飾って頂きましたし……。ところで染井様、今日は何か」
「はい、じつは仕事のことで、至急冴子さんに連絡を取りたかったんですが、携帯が繋がらないもので」
「まぁ、それは大変」
「彼女の同僚に、ここに向かったと聞いたものですから」
「そうだったんですか。私は交代要員で今来たばかりで……あ、着きました、こちらにどうぞ」
施設内は清潔に保たれ、廊下は車椅子数台が余裕をもってすれ違える。広い共有スペースでは、テレビを見ている者や、介護者と折り紙を楽しむ者がいる。冴子の姿を探したが、そこには見当たらなかった。