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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「信子さんは人気者なんですよ。若い頃は随分とご苦労なさったみたいですけど、今はここでゆったりとお過ごしです。さぁ、この部屋です。信子さん、入りますよー」
ノックとともにスライド式のドアが開いた。
「あら信子さん、おひとり?」
先に部屋に入った小山が暫くして出てきた。
「冴子さんはまだいらしてないようですね。よくお茶菓子持参でお越しになるので、お買い物してるのかも知れません。すぐにいらっしゃいますよ。染井様、信子さんが是非お話しがしたいと仰ってますので、どうぞお入りください」
「え、でも……」
信子に挨拶しておきたかったが、思いに任せて手ぶらで来てしまった彼は、今になって後悔した。
「バスはなかなか時間通りに来ないんですよ。冴子さんが来るまでお喋りしててくださいな。そうそう、信子さんは認知症なので、お話が噛み合わない事がありますけど、それもまた楽しいですよ」
「はぁ」
小山は遼を部屋に通すと、信子が座っている車椅子を遼の方に向け、二人分のお茶を入れて部屋を出ていった。
ノックとともにスライド式のドアが開いた。
「あら信子さん、おひとり?」
先に部屋に入った小山が暫くして出てきた。
「冴子さんはまだいらしてないようですね。よくお茶菓子持参でお越しになるので、お買い物してるのかも知れません。すぐにいらっしゃいますよ。染井様、信子さんが是非お話しがしたいと仰ってますので、どうぞお入りください」
「え、でも……」
信子に挨拶しておきたかったが、思いに任せて手ぶらで来てしまった彼は、今になって後悔した。
「バスはなかなか時間通りに来ないんですよ。冴子さんが来るまでお喋りしててくださいな。そうそう、信子さんは認知症なので、お話が噛み合わない事がありますけど、それもまた楽しいですよ」
「はぁ」
小山は遼を部屋に通すと、信子が座っている車椅子を遼の方に向け、二人分のお茶を入れて部屋を出ていった。