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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「はじめまして、染井遼と申します」

白髪をひとつに結わえた小柄な老婆が、元から笑っているような顔で、更に微笑んだ。

「まぁまぁこんなところまで、よくいらっしゃいましたねぇ、どうぞその椅子にお掛けくださいな。何もないんですけどね、お茶でもどうぞ。冷たいお茶がよければ、その冷蔵庫にありますけど、どちらがいいかしら」

信子が小さな冷蔵庫を指差した。

「ありがとうございます。温かい方をいただきます」

丸椅子に腰掛けた遼は、彼女が茶を啜るのに合わせてひと口飲んだ。

「素敵な湯呑みですね。手作りですか?」

彼は、話のきっかけが見つかりほっとした。

「これね、えぇ、お気に入りなんですよ。色も好きだし、触ると落ち着くんです。それに、美味しいの」

小さな手が湯飲みを包んだ。

「陶芸がご趣味なんですか? お上手ですね」

「あら、ふふっ。私はずっと働き通しでね、趣味を楽しむ暇はなかったんですよ。これはさえちゃんが、私の為に作ってくれたんです、素敵でしょ? さえちゃんとお揃いなんですよ」

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