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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
信子の平然とした話しぶりに、遼は少なからずショックを受けた。認知症は、記憶がなくなるだけでなく、記憶そのものがすり替わってしまうらしい。
「へぇ、冴子さんからのプレゼントなんですね」
遼は間違いを正そうとは思わず、信子の記憶に寄り添った。
「そうなんです。あの子が一生懸命作ってくれたと思うと嬉しくって、本当は使うのも勿体ないんですけどね」
「おばあちゃん孝行なんですね」
信子は嬉しそうに何度も頷いた。
「うんうん、ほんとにねぇ、ありがたくって。私達がこんな風に安心して過ごせるのは、染井の旦那様のお陰なんです。あの方には足を向けて眠れません。あの子が来るたびに言い聞かせているんですよ、くれぐれも、旦那様には失礼のないようにねって」
「あはは、それは大袈裟過ぎですよ。こちらの方こそ、冴子さんの真面目な仕事ぶりには感謝しているんです。でもそんな風に思って頂けるなんて光栄です。ただ、父はすでに隠居の身ですので、冴子さんとの関わりはないんです、今は私が家元として……」
「へぇ、冴子さんからのプレゼントなんですね」
遼は間違いを正そうとは思わず、信子の記憶に寄り添った。
「そうなんです。あの子が一生懸命作ってくれたと思うと嬉しくって、本当は使うのも勿体ないんですけどね」
「おばあちゃん孝行なんですね」
信子は嬉しそうに何度も頷いた。
「うんうん、ほんとにねぇ、ありがたくって。私達がこんな風に安心して過ごせるのは、染井の旦那様のお陰なんです。あの方には足を向けて眠れません。あの子が来るたびに言い聞かせているんですよ、くれぐれも、旦那様には失礼のないようにねって」
「あはは、それは大袈裟過ぎですよ。こちらの方こそ、冴子さんの真面目な仕事ぶりには感謝しているんです。でもそんな風に思って頂けるなんて光栄です。ただ、父はすでに隠居の身ですので、冴子さんとの関わりはないんです、今は私が家元として……」