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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「まぁまぁそうですか。うんうん、だから旦那様はさえちゃんに焼き物を教えてくれたんですね。あの子、粘土を捏ねていると、不思議と気持ちが落ち着くんだって言って、とっても楽しそうなんです」

遼は、あの日、突然動揺し始めた冴子を思い出した。

「ええっと、旦那様の、コーボーっていうんですか? そこで焼くんだそうです。 ほんとにいつも良くして頂いて。旦那様にには足を向けて……」

「工房?」

背後から殴り付けられたような衝撃だった。気が動転し、何が起きたのかわからない。ただ、子供の頃に遊んだあの場所と、竹林から吹いてくる風の匂いが脳裏に浮かんだ。

「直接お礼を言いたいんですけど、……どうか旦那様にお伝えください。さえちゃの事も、私がここで良くして頂いているのも、全て旦那様あっての事なんです。本当にありがとうございます」

彼女は嘘をついた。親父の工房へ行ったのか? いつだ、なぜ黙っていた。嘘をつく必要がどこにあるんだ。

信子は深々と頭を下げたまま、顔を上げようとしなかった。彼はその白髪をぼうっと眺め、込み上げてくる醜い感情を、冷酷に遮断した。

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