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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
障子に頬をつけた遼は瞬きもせず、右目をカッと見開いた。限られた視界の中、男の作務衣をずり下げる女が見える。仁王立ちの男の向こうで、女は口淫を始めたらしい。顔は見えない。だが、男の尻や腰を撫でる手つきと、喉の奥から漏れるくぐもった声が、抑えきれない女の興奮を知らしめている。程なくして、女の両手が尻を引き寄せた。

「ん……冴子、いいぞ」

男が布団に横たわった。
遼は、震える手を握り締めて二人を凝視した。冷たい汗が背中を伝う。呼吸を忘れ、思考は停止した。
仰向けに寝た父と、襦袢を羽織る冴子の背中。それが夢なのか現実なのか、確かめる必要があった。彼女は襦袢に袖を通すと、身ごろを左右に開き、父の腰の辺りに跨がって立った。

「冴子、見事だ」

彼女の肉体を讃える父の声。
愛する女が全裸でそこにいる。俺を虜にして離さない、控え目でかわいい女が目の前に……

冴子は揺れながらじわじわと腰を落とし、やや前のめりになって位置を定めた。そして、「あぁ」と何度か喘ぎ、深く沈んでいった。

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