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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「あぁ、益田さん、何度もご連絡頂いたのに、出られなくてすみませんでした」
食事会の件を思い出した彼は、抑えきれない怒りをほんの少し落ち着かせた。
「いえ、僕の方こそ邪魔してすみません。場所を変えたのでお知らせしようと思って。スタッフの皆さんが、いつものスナック、と言えばお家元には通じるとおっしゃるんですけど、ははっ……わかります?」
「わかります」
「外で一服してるんですけど、店内はまだ盛り上がってます。お家元、今どこですか? 秋津さんは一緒ですよね、皆さん首を長くして待ってますよ」
冴子を連れてくると、自信満々で言った自分はもういない。
「彼女は来られなくなりました。俺も今夜はやめときます」
「え? それはないでしょうお家元。みんなに来るって言っちゃったんですよ。師範達は帰りましたけど、咲さんや野田さん達は秋津さんが来るのを楽しみにしてるんです。……ははぁ、なるほど、秋津さんに断られたんですね、それとも会ってもらえなかったとか」
食事会の件を思い出した彼は、抑えきれない怒りをほんの少し落ち着かせた。
「いえ、僕の方こそ邪魔してすみません。場所を変えたのでお知らせしようと思って。スタッフの皆さんが、いつものスナック、と言えばお家元には通じるとおっしゃるんですけど、ははっ……わかります?」
「わかります」
「外で一服してるんですけど、店内はまだ盛り上がってます。お家元、今どこですか? 秋津さんは一緒ですよね、皆さん首を長くして待ってますよ」
冴子を連れてくると、自信満々で言った自分はもういない。
「彼女は来られなくなりました。俺も今夜はやめときます」
「え? それはないでしょうお家元。みんなに来るって言っちゃったんですよ。師範達は帰りましたけど、咲さんや野田さん達は秋津さんが来るのを楽しみにしてるんです。……ははぁ、なるほど、秋津さんに断られたんですね、それとも会ってもらえなかったとか」