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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
酔いが回った益田のお気楽なしゃべり方にむかついた。初対面でありながら、やけに冴子の唇を褒めていたこの男は、カメラマンの眼を通して、彼女の本性を見抜いていたのだろうか。

「ええ、会ってはいません。ただ……」

「ただ?」

「いえ、何でもありません」

「……とにかく一人でも来てください。僕な遅くなっても待ってますから」

「そんな気分じゃないんです」

「それは理由(になりませんよ。こっちは綾辺社長に報告義務があるんですから。それに……、こんな事僕が言うことではないですけど。お家元、会場で咲さんから茶封筒受け取りましたよね。来なきゃまずいんじゃないですか? 僕言いましたよね、後悔しますよって。社長をがっかりさせないでください。この先長い付き合いになるんでしょう? せめて顔ぐらいは出しておかないと」

益田の口調が説教じみてきた。完全に綾辺の手先であるらしい。

「益田さん、たしか俺もあの時、一生後悔するとかしないとか言いましたっけ。あはっ、あはははは……えぇ俺ってほんとに馬鹿ですよ、あなたが言った通りだ。ふふっ、あはははは……でも後悔なんてしてません、間抜けな男が一人、指を咥えて見てましたけどね、あははは……」

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