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我が運命は君の手にあり
第13章 第十三章
「ん? 見たって何を」

「あぁそうだ、やっぱりそちらに向かいますよ、家に帰る気分じゃないんで。益田さん、あなたへの非礼のお詫びに、興味深い話をお聞かせします、笑えますよ。それと、綾辺社長には後日、御礼とお詫びに伺います」

すでに冴子は恋人でも知り合いでもなく、どこかの薄汚い阿婆擦れでしかなかった。そんな女の話を酒の肴にして呑んだくれるのもいいだろう。益田はがっかりするだろうか、それとも――

「あ、ちょ、ちょっと待ってください、咲さんが出てきたので代わります。……咲さん、お家元です」

はい、と声がした。

「もしもし遼さん、お疲れ様です。お仕事上手くいきましたか?」

可愛らしい声が懐かしく思える。穢れのない、素直なままの咲。その声は、彼の心を少しばかり丸くした。

「あぁ、上手くいったよ。悪かったね咲ちゃん、せっかく来てくれたのに」

「そんなの気にしないでください。仲間に入れて貰って楽しかったです。私、そろそろお暇します。ほら、いつも通り、お父様が心配してるので、ふふっ」

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