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我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章


「冴子、私を愛してなどいないだろう」

「いいんです。これでやっと、ちゃんと終わりにできます」

「よりによって、最後の夜に知られるとは……」

「旦那様……私に、私に罰を……。今すぐ私を、私を殺して、殺して、殺して……」

泣き叫び、永遠に続く責め苦を自ら欲した。醜く汚れた器を粉々にしてほしい。そう願って遼の名を叫び続けた。だが狂乱はやがて覚め、遼への思いだけが残った。それを絶ちきる為に、遼の吐き捨てた言葉は支えとなっていった。私は獣、私は獣。心に巣喰う獣の血は、母から受け継いだものなのだ。そう自分を呪い、慰め、納得させた。


「信子さん、おむつを代えたら少し休みましょうか」

「うちに帰るのは?」

「少し寝て目覚めたら着替えを手伝いますよ」

おむつの交換を終え、布団を掛けられた信子は間もなく目を閉じた。

「祖母は、小山さんがいると落ち着くみたいです」

「ふふっ、本当ですか? それは嬉しいな。信子さんて、私の母と似てるんです。もう亡くなりましたけど」

「まぁ、そうだったんですか」

「お孫さんがこうして会いに来てくれて、信子さんは幸せですよ」

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