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我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章
春には綾辺グループのホテルがオープンする。こうして離れてみると、染井流は未だ無名で、巨大企業の認知度とは比べ物にならない。けれど、もうすぐ遼の夢が大きく前進する。綾辺社長の采配で、様々な媒体で取り上げられ、話題に上るだろう。この先遼と咲が結ばれ子が生まれれば、染井流は益々発展するだろう。父を越え、染井流の名を世に轟かせる事は、遼の念願だ。
いよいよ動き出す、着実に……
着信に気付いた冴子は、携帯電話を確認した。
――おばあちゃんのご様子は?
――ご心配ありがとうございます。お陰さまで安定しています。今、帰りのバスです。明日の絵付けと釉薬、がんばります
――了解。道中気をつけて
――ありがとうございます
冴子が美濃焼の窯元に弟子入りして半年が経った。染井に勧められた時、これ以上世話になりたくないと断ったが、ただ口利きするだけだ、二度と関わらないから、と説得された。
「せめてもの罪滅ぼしだ」
いよいよ動き出す、着実に……
着信に気付いた冴子は、携帯電話を確認した。
――おばあちゃんのご様子は?
――ご心配ありがとうございます。お陰さまで安定しています。今、帰りのバスです。明日の絵付けと釉薬、がんばります
――了解。道中気をつけて
――ありがとうございます
冴子が美濃焼の窯元に弟子入りして半年が経った。染井に勧められた時、これ以上世話になりたくないと断ったが、ただ口利きするだけだ、二度と関わらないから、と説得された。
「せめてもの罪滅ぼしだ」