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我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章
以来、冴子は田沢三枝子の元で新しい生活を始めた。
陶器と磁器の違いを知り、温もりの違いを肌で感じた。磁器は粘土の割合が低く、陶石を細かく砕いたものを多く使う。捏ねて成形し、乾燥、素焼き、絵付け、釉薬、本焼き。掛かる工程の一つひとつを見逃すまいと、真面目に取り組んだ。

磁器は白く、光を通した。陶器の温もりよりも、ひんやりとした冷たさが冴子を癒した。割れた時の潔い音や、尖った欠片の危うさに惹かれた。
ろくろはもちろん、絵付けも難しく自信がなかったが、白磁と向き合い、筆先を置くときの一瞬の無に尊さを感じた。

バスを降りて在来線に乗り換え、新幹線の停車駅で切符を購入した。この騒々しい都会から、あと数時間で自分の居場所に戻れる。
信子のあの痩せ方を見ると、そう長くはないだろうと冴子は思った。もっと頻繁に見舞おうと思うが気持ちが塞ぐ。都会の人混みが息苦しいのか、過去に戻るのが怖いのか……


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