この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章
改札口付近に、黒い服の一団が挨拶を交わしている。冴子はそこを避け、土産を選ぼうと駅構内に並ぶ店に向かった。
三枝子の好きな和菓子を手に取り、弁当とお茶も一緒に支払いを済ませた。
発車時刻まで七分。冴子は足を早めて改札へと向かう。

「冴子」

聞き覚えのある声がして、同時に腕を捕まれた。

「……」

和菓子の紙袋がぶらぶらと揺れる。

(何故彼がここに……)

振り向いてはいけない。立ち去らなければ。
その手を振りほどき、急いで改札を抜けてホームに立ち、新幹線に乗って――

「あいつは、……親父は死んだよ」

時間が止まり、音か消えた。改札に向かう人々の背中を、無感動に眺めた。

「……死んだ」

黒服で背の高い男が、なにか言いたげに冴子を見つめていた。だが、冴子は振り向かなかった。

「風呂場で倒れててね。時江さんが見つけて救急車を呼んだんだけど、……あっという間だった。今日は四十九日で、たった今姉と親戚を……」

あとは聞こえなかった。

/334ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ