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我が運命は君の手にあり
第3章 第三章

「そうですか。あ、今日は新人さんが来るんですよね。秋津さんでしたっけ、例のあの女性。どんな方ですか?」
北沢が興味ありげに微笑んだ。
「俺もすれ違い程度に顔を合わせただけなんだけど、あの時とそう変わらない印象で明るくはないね。たぶん真面目な人だとは思う」
昨年自宅近くで会って以来、彼は冴子に会う機会がなかった。時江にそれとなく様子を尋ねた事はあったが、「時間通りにお見えになりました」とのひと言で話は終わってしまう。
「着付けはやはり時江さんから?」
「うん、北沢さんもそうだったよね」
すっかり板についた北沢の和服姿に目を細めた遼は、一抹の寂しさを覚えた。
「えぇ、そうでした。今だから話せますけど、私、時江さんが苦手でした。どうもその、お堅くて」
上目使いで遼を見る北沢の目に、いたずらな色が浮かぶ。
「ははっ、わかるよそれ。ひょっとすると秋津さんもそう思ってるんじゃないかな」
「きっとそうですよ、ふふっ。でも、今の私があるのは時江さんのお陰です。不満はありません、感謝しています」
北沢が興味ありげに微笑んだ。
「俺もすれ違い程度に顔を合わせただけなんだけど、あの時とそう変わらない印象で明るくはないね。たぶん真面目な人だとは思う」
昨年自宅近くで会って以来、彼は冴子に会う機会がなかった。時江にそれとなく様子を尋ねた事はあったが、「時間通りにお見えになりました」とのひと言で話は終わってしまう。
「着付けはやはり時江さんから?」
「うん、北沢さんもそうだったよね」
すっかり板についた北沢の和服姿に目を細めた遼は、一抹の寂しさを覚えた。
「えぇ、そうでした。今だから話せますけど、私、時江さんが苦手でした。どうもその、お堅くて」
上目使いで遼を見る北沢の目に、いたずらな色が浮かぶ。
「ははっ、わかるよそれ。ひょっとすると秋津さんもそう思ってるんじゃないかな」
「きっとそうですよ、ふふっ。でも、今の私があるのは時江さんのお陰です。不満はありません、感謝しています」

