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我が運命は君の手にあり
第3章 第三章
「このパンフレットとアンケート用紙は、お客様に重ねてお渡ししてください」
「はい」
「体験希望の方には、受付け用紙にご記入頂いてから、各教室のご案内を、……えーっと、あ、これ、これを渡して」
「はい」
北沢の指示に頷き、カウンターに並んだ用紙の位置を何度も確認して開場に備えた。
冴子は狼狽えていた。コンビニや喫茶店、物流センターでの仕分け作業といった、これまでの仕事とは環境が違いすぎる。
「何も分からなくても、余裕のある振りで堂々としていればいい」
本部の事務局で挨拶を済ませた後、車の後部座席で聞いた染井の言葉。冴子はその言葉を頼りに焦りを抑え込んでいた。
「疲れたらこの椅子使ってね。座り心地は良くないんだけど」
高さのある木製のスツールに腰掛けた冴子は「たしかにそうですね」と言ってすぐに立ち上がった。
「でしょ? あ、そのパーテーションの裏にコーヒーと緑茶が準備してあるの、時間が空いたらいつでもどうぞ。私は紅茶の方が好きなんだけどね、ふふっ」
「はい」
「体験希望の方には、受付け用紙にご記入頂いてから、各教室のご案内を、……えーっと、あ、これ、これを渡して」
「はい」
北沢の指示に頷き、カウンターに並んだ用紙の位置を何度も確認して開場に備えた。
冴子は狼狽えていた。コンビニや喫茶店、物流センターでの仕分け作業といった、これまでの仕事とは環境が違いすぎる。
「何も分からなくても、余裕のある振りで堂々としていればいい」
本部の事務局で挨拶を済ませた後、車の後部座席で聞いた染井の言葉。冴子はその言葉を頼りに焦りを抑え込んでいた。
「疲れたらこの椅子使ってね。座り心地は良くないんだけど」
高さのある木製のスツールに腰掛けた冴子は「たしかにそうですね」と言ってすぐに立ち上がった。
「でしょ? あ、そのパーテーションの裏にコーヒーと緑茶が準備してあるの、時間が空いたらいつでもどうぞ。私は紅茶の方が好きなんだけどね、ふふっ」