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我が運命は君の手にあり
第1章 第一章

拝啓
川沿いのコスモスが揺れ、木々が赤く色づき始める今日この頃。日々ご活躍との噂がこちらにも届いております。
忙しさにかまけてご返事が遅れました事をお許しください。
突然のお便り、ただ驚いて封を切りました。
遼さん、今の私にとって、あの頃の事は遠い過去のものになってしまいました。
縁とは不思議なもので、私のような者にも、将来を共にと考えてくださる方が現れ、今はささやかながらも幸せな毎日を送っています。彼と共にいたい、彼の為に生きたい、しみじみとそう思えるのです。
さんざんお世話になっておきながら、このような物言い、どうかお許しください。
どうか貴方も、過去にとらわれず、まっすぐな道をお進みください。

勝手ながら、頂いたお手紙は焼いてしまいました。周囲にいらぬ誤解を与えぬよう、この手紙もすぐに焼き捨ててください。

最後になりましたが、今後の更なるご活躍とご多幸をお祈り申し上げます。 敬具

秋津冴子
染井流三代目家元 染井遼様



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