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我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
部屋を覗くと、窓辺で空を見ていた信子が振り向いた。
「どなた?」
「やだ、おばあちゃんたら、私よ冴子」
「さえちゃん? あ、あらぁ、そんな格好をしてるからわからなかったよ。まぁきれい、もっとこっちに来てちゃんと見せて」
冴子は車椅子の信子に近づき、ゆっくりとひと回りした。
「まぁ、ホントにさえちゃんだ、素敵ねぇ。さえちゃんの着物姿初めて見たよ。うんうん、きれいだよ本当に」
「生け花の展示会が今日やっと終わったの。このお着物は旦那様が私の為にわざわざ誂(あつら)えてくださったのよ」
信子の目に涙が光った。
「さえちゃん……、ごめんよ。ばあちゃんは、さえちゃんに何もしてあげられなかったねぇ、七五三も成人式も……」
「そんな事言わないでよおばあちゃん。ずっと一緒に居てくれたじゃない」
信子は鼻を啜り、「こんなに嬉しい事はないよ、ありがたい事だよ。本当にさえちゃん? そんな格好をしてるからわからなかったよ」と繰り返した。
「おばあちゃん元気そうだね」
「うんうん、お友達が沢山できたからね。ご飯も美味しいし、この部屋は落ち着いて眠れるし」
信子はティッシュに手を伸ばし、目頭を押さえた。
「どなた?」
「やだ、おばあちゃんたら、私よ冴子」
「さえちゃん? あ、あらぁ、そんな格好をしてるからわからなかったよ。まぁきれい、もっとこっちに来てちゃんと見せて」
冴子は車椅子の信子に近づき、ゆっくりとひと回りした。
「まぁ、ホントにさえちゃんだ、素敵ねぇ。さえちゃんの着物姿初めて見たよ。うんうん、きれいだよ本当に」
「生け花の展示会が今日やっと終わったの。このお着物は旦那様が私の為にわざわざ誂(あつら)えてくださったのよ」
信子の目に涙が光った。
「さえちゃん……、ごめんよ。ばあちゃんは、さえちゃんに何もしてあげられなかったねぇ、七五三も成人式も……」
「そんな事言わないでよおばあちゃん。ずっと一緒に居てくれたじゃない」
信子は鼻を啜り、「こんなに嬉しい事はないよ、ありがたい事だよ。本当にさえちゃん? そんな格好をしてるからわからなかったよ」と繰り返した。
「おばあちゃん元気そうだね」
「うんうん、お友達が沢山できたからね。ご飯も美味しいし、この部屋は落ち着いて眠れるし」
信子はティッシュに手を伸ばし、目頭を押さえた。