この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
着信表示に「旦那様」という文字を確認した冴子は少し緊張した。
「……はい、秋津です」
「お疲れ様、今着いたよ、少し早かったかな」
「いえ、すぐに参ります。わざわざ申し訳ありません。ありがとうごさいます」
冴子が携帯を閉じるのを待って「染井の旦那様?」と信子が不安げに見上げてくる。
「そうなの。前に家政婦さんからお着物を譲ってもらったって言ったでしょう? 渡し忘れた物があるらしくて、これから取りに伺うの。それで旦那様が迎えに来てくださったの」
「まぁ、わざわざ申し訳ないねぇ。さえちゃんはみんなにお世話になってるんだね。よくよくお礼を言うんだよ」
「うん、では行ってきます。おばあちゃんゆっくり休んで、また来るからね」
「うんうん、いつもありがとう。さえちゃん、旦那様にくれぐれもよろしく伝えてちょうだいね」
エレベーターまで見送りにいくという信子を押し留め、冴子は笑顔で手を振った。一階に降り、受付けにカードホルダーを返して外に出ると、黒い車の運転席で、軽く手を上げる男が見えた。
「……はい、秋津です」
「お疲れ様、今着いたよ、少し早かったかな」
「いえ、すぐに参ります。わざわざ申し訳ありません。ありがとうごさいます」
冴子が携帯を閉じるのを待って「染井の旦那様?」と信子が不安げに見上げてくる。
「そうなの。前に家政婦さんからお着物を譲ってもらったって言ったでしょう? 渡し忘れた物があるらしくて、これから取りに伺うの。それで旦那様が迎えに来てくださったの」
「まぁ、わざわざ申し訳ないねぇ。さえちゃんはみんなにお世話になってるんだね。よくよくお礼を言うんだよ」
「うん、では行ってきます。おばあちゃんゆっくり休んで、また来るからね」
「うんうん、いつもありがとう。さえちゃん、旦那様にくれぐれもよろしく伝えてちょうだいね」
エレベーターまで見送りにいくという信子を押し留め、冴子は笑顔で手を振った。一階に降り、受付けにカードホルダーを返して外に出ると、黒い車の運転席で、軽く手を上げる男が見えた。