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我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
「あの、祖母が旦那様によろしく伝えてと言っていました。すっかり落ち着いてとても元気そうです。本当にありがとうございました」
「お役に立てて光栄だ。まあ、そんな大層な事をしたわけじゃない、私に出来ることをしたまでだよ」
「いいえ、旦那様にはお世話になってばかりで、あの、お洋服も、たくさん買っていただきましたし……」
信号待ちの車内で、冴子は染井の視線が少しも優しくないことに俯き、膝の上で両手を握った。
「私が採用した君に肩身の狭い思いはさせられない。もちろんジーンズも良く似合ってはいたがね、それに……」
急に黙った染井の意図を探ろうと、冴子は顔を上げた。ミラーには、冴子の視線を待っていたかのような、涼しげな目があった。ほっとしたつかの間、染井がミラーに顔を近付けた。
「ふふっ、なかなか良いものだよ、君を変えていくのは」
危険な眼差しにぞくりとした冴子は、咄嗟に窓の外を見た。
「お役に立てて光栄だ。まあ、そんな大層な事をしたわけじゃない、私に出来ることをしたまでだよ」
「いいえ、旦那様にはお世話になってばかりで、あの、お洋服も、たくさん買っていただきましたし……」
信号待ちの車内で、冴子は染井の視線が少しも優しくないことに俯き、膝の上で両手を握った。
「私が採用した君に肩身の狭い思いはさせられない。もちろんジーンズも良く似合ってはいたがね、それに……」
急に黙った染井の意図を探ろうと、冴子は顔を上げた。ミラーには、冴子の視線を待っていたかのような、涼しげな目があった。ほっとしたつかの間、染井がミラーに顔を近付けた。
「ふふっ、なかなか良いものだよ、君を変えていくのは」
危険な眼差しにぞくりとした冴子は、咄嗟に窓の外を見た。