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我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
だが本当に時江からの贈り物なら、褒めてもらったと思っても良いのではないか、少なくとも認められたと。

「本当に時江さんが?」
「うむ、私も彼女の見立てを見てみたいね。私よりも君を知っているだろうから」

冴子は嬉しくなり、「二階に上がってもいいですか?」と言って立ち上がった。

「うむ、いっておいで」
「はい」

笑顔で応え、足早に部屋を出た。時江さんが私のために着物を選んでくれた。そう思うだけで胸が弾んだ。冴子は褒美を貰う子供のように、飛び跳ねてスキップしたかった。



引き戸を開けて明かりを灯すと、以前と同じ場所に桐箪笥と姿見、化粧台が置かれている。階下の和室よりずっと多く出入りしていたこの部屋には愛着があり、箪笥の抽斗を引けば匂ってくる樟脳の匂いも好きになっていた。
畳の上に重ねられたたとう紙を見た冴子はそこに跪き、思わず胸の前で両手を握り締めた。

「時江さん……」

一つめのたとう紙をほどくと、格子模様に織られた辛子色の帯と深緑色の帯締め、赤い重ね襟が現れた。

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