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我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
ひと目見て気に入った彼女は次が気になり、二つめの紙を開いた。
「わぁ……」
それは黒地に鈍色(にびいろ)の縦縞が入った小紋で、冴子が着てみたいと思っていた色合いだった。赤い重ね襟、辛子色の帯と合わせると粋に見えるに違いない。時江に心から感謝しつつ、冴子はひとつ残ったたとう紙が気になった。
既に持っている帯や帯締め、着物、長襦袢などを組み合わせれば、色々な装いが楽しめる。もう充分だ。冴子はそう思いつつ、着物を脇に寄せてその紐をほどいた。
「あ……」
出てきたのは赤の長襦袢だった。裾付近には黄色い蝶がひらひらと舞っている。あまりにも鮮やかな色に驚いた冴子だったが、明かりを受けて艶々と輝く美しさに見とれ、この着物にはこの襦袢しかないと、時江の見立てに改めて納得した。
(でもこれ、私に似合う?)
大人しい色目を選んで着ていた冴子は、着慣れない色を着こなす自信がなかった。
「時江さんが私に」
「わぁ……」
それは黒地に鈍色(にびいろ)の縦縞が入った小紋で、冴子が着てみたいと思っていた色合いだった。赤い重ね襟、辛子色の帯と合わせると粋に見えるに違いない。時江に心から感謝しつつ、冴子はひとつ残ったたとう紙が気になった。
既に持っている帯や帯締め、着物、長襦袢などを組み合わせれば、色々な装いが楽しめる。もう充分だ。冴子はそう思いつつ、着物を脇に寄せてその紐をほどいた。
「あ……」
出てきたのは赤の長襦袢だった。裾付近には黄色い蝶がひらひらと舞っている。あまりにも鮮やかな色に驚いた冴子だったが、明かりを受けて艶々と輝く美しさに見とれ、この着物にはこの襦袢しかないと、時江の見立てに改めて納得した。
(でもこれ、私に似合う?)
大人しい色目を選んで着ていた冴子は、着慣れない色を着こなす自信がなかった。
「時江さんが私に」