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我が運命は君の手にあり
第4章 第四章
「手を……」

冴子が両手を後ろに伸ばすと、男はそれを手綱のようにぐいと引いた。突かれる度に乳房が揺れる。

「はあぁぁ、ああっ、う、うぐっ」

両手を束ねられ、パシッと響く音と共に尻に痛みが走った。

「ああっ、いやっ、やめて、やめて……いや……」

だが、執拗なまでの平手を食らううち、痛みと呼応しはじめる肉の疼きに、冴子は新たな恍惚を覚えはじめた。

「あんっ、あんっ、ぁはぁぁ、あぅぅっ……」

膝下のたとう紙に染みが広がった。半開きで喘ぐ唇、上下する白い乳房。汗と淫欲の匂い、恥辱の音。鏡の中に全てがあった。
冴子はその光景に見入り、激しく突かれる女と見つめ合って叫び、果てた。

初めて見た自分だった。
うつ伏せた冴子の奥で、男は悠々と力を保っていた。冴子の背中にのし掛かり、忍ばせた手で花芯を撫で回した。

「ああ……」

冴子の背中を唇が這う。

「遼には気を付けなさい」

似た台詞をどこかで聞いた。そう思いつつも押し寄せる疼きに呑まれ、再び尻を突き出した。

「ふっ、いい具合だ」
「……っ、あぅぅっ!」

果てのない男の欲望を、飽くことなく受け入れた。白い肌は赤く燃え、乱れた襦袢を纏ったまま悶え続けた。
身体が嬉しがっていた。孤独、妬み、惨めさ、性的渇望……冴子は全てから解放され、身体を開いた。

「だ、旦那様、旦那様ぁぁ……」

待っていた
私は待っていた
こんな日を、こんな男をずっと、ずっと……









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