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累(かさね)
第1章 累(かさね)
「おじさま…おばさま…」
「(甘やかす声で)どうしたのかなァ。」
「(女々しい声で泣きながら)すみませんでした…すみませんでした…」

慶彦が女々しい声で泣きながら義久夫婦にわびていたので、義久夫婦はコンワクしながらもやさしく声をかけていました。

「ああ、慶彦…そんなに泣かんでもいいよ…」

慶彦は、泣きながら義久夫婦にもうしわけない気持ちでいっぱいになっていることを必死になって伝えていました。

「おじさま、おばさま…ぼくたち家族がここでご厄介になっていることがいけないのです…」
「なにを言うのだね急に…慶彦はなんの落ち度もないのだよ。」

義久の言葉に対して、慶彦は『7日前にチンピラの男たちとニンジョウザタを起こしてしまったので本来だったら刑務所にいて懲役刑を受けなければならないのだ!!』と言うて、ワーッと泣き出したのでありました。

困ったわね…

それだったらどのようにしたいと言うのよ…

義久夫婦は、6日ほど前に『知人夫婦にお願いをして弁護士さんを立てるから…』と慶彦に言うたのに、知人夫婦とあうたびに雑談ばかりをしてコロッと忘れてばかりいたので、気持ちがオタオタオタオタオタオタ…とおたついていました。

しかし、義久夫婦は慶彦に対してものすごく甘やかす声で無責任な言葉まじりのやさしい言葉で返すしかありませんでした。
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