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第1章 累（かさね）

「慶彦…お前の職場の上司が言うてはる言葉はデタラメなんや…」
「デタラメ…デタラメって…」
「慶彦はわしがいよる（いっている）ことがわからんのか…職場の上司はな…ヤクザの親分のところへ出入りばかりを繰り返していた上にヤクにてぇつけてしまったので頭がいかれているのだよ…職場の上司はヤクにイソンしていたから頭がパッパラパーになってしまったのだよ…」

慶彦は、義久からアメージングな言葉を聞いてしまったので顔が真っ青になってしまったのでありました。

「えーっ!!か、課長が…ヤーサンの事務所に出入りして、ヤクにてぇつけていたってぇー!!おじさん、それ正気で言うてはるのですか!?」
「ああ、正気だよ…」

義久は、慶彦の職場の人間にヤーサンと交友関係があるモンがいると口走っていましたが、慶彦はわけが分からなくなってしまいましたのでますますコンワクしてしまいました。

おじさんとおばさんは…

正気でそんなことを言うているのだろうか…

あるいは…

晴久さんたちの問題が解決できないいらだちから…

どーでもよしにいっているのではないだろうか…

慶彦は、言葉のアヤを下手に解釈するとどえらいことになってしまうと思っていましたが、義久がこのあと言うた言葉のアヤに負けてしまったのでありました。