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第2章 不法侵入家族（よそもん）

「常吉!!お前はおじさんからなんで強烈な声でおらばれたのかがまだら分かっていないみたいね…お前はどこのどこまでバカなのかしら…」

しげよからたしなめられた常吉は、声を震わせて泣いていましたが、しげよはますます怒った口調で常吉に言いました。

「常吉!!説明しなさい!!どうしてヤミ金融なんかに手出しをしてしまったのかを説明しなさい!!」

常吉は声を震わせて泣いてばかりいたので、義久はますます怒り狂ってしまったのでありました。

「説明せいといよんのが聞こえんのか!!オドレの耳はツンボ（耳が聞こえない）か!!」

（ガツーン!!）

義久は、グーで常吉の右の耳を力を込めて殴り付けました。

しげよは、説明することができない常吉に対してヒステリックな声をあげて怒鳴りつけていました。

このあと、義久夫婦は常吉に対してものすごく強烈な声で怒鳴りつけていましたが、常吉はイシュクしていたのでいじけていました。

近くの部屋にいましたまりえとふたりの娘は身体を寄せ合って震えていましたが、この時に愛瑠が泣き出したのでありました。

「おかーさん…おうちに帰りたい…おうちに帰りたい…」
「ごめんね…愛瑠、ごめんね…おうち、なくなってしまったのよ…今治の小学校に入学できなくなってしまったのよ…」
「ワーンワーンワーン!!おうちに帰りたい!!」

愛瑠が強烈な叫び声を挙げて泣き出したので、義久が『だまれ!!ビービービービー泣くな!!』と怒鳴っていました。

しげよも『だまりなさい!!』と怒鳴っていましたが、愛瑠の泣き声がさらにひどくなってしまったのでまりえは大パニックを起こしてしまいました。

どうすればいいのよ…

どうすればいいのよ…

助けて…

助けてお願い…

このままでは…

一家がのたれじになってしまう…

助けて…

助けて…