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第2章 不法侵入家族（よそもん）

「常吉さん…正社員登用を取り消したのは常吉さんの家族のためを思って取り消したのだよ…」
「（ますます怒った口調で）家族のためだと…それはどういう意味なんや!!」
「どういう意味って…正社員になったら、契約期間は６ヶ月で短いのだよ…契約を更新できるのは３回までで、２年しかできんのだよ…それに、正社員に登用されたら残業が多くなる…残業のお手当が出ないことなどデメリットばかりが多いのだよ…定刻通りに帰宅できない…中央郵便局は暑中見舞いや年賀状の配送の手はずなどで泊まり込みになる場合があって家に帰ることができなくなるのだよ…それではご家族がかわいそうだと思って契約社員のままにしておくと言うことや…わかってくれるかな…」

常吉がますますにらんだ目つきで上司の男性をにらみつけていたので、上司の男性はブチキレを起こしてこう言いました。

「常吉さん!!もうすぐ天気予報が始まる時間だから天気予報みておきなさい!!」

上司の男性は、常吉を怒鳴りつけたあと背中を向けてブツブツと言いまくっていました。

常吉は、上司の男性から言われた言葉にキレてしまったので目つきがますます鋭くなっていました。

今の常吉は、家族を守って行く余力は残っていませんでしたので、少しずつ無気力になって行こうとしていました。

もうダメだ…

ぼくは…

まりえとふたりの娘を守って行くことが…

できなくなってしまった…

ぼくはこれから…

どうして行けばいいのか…

わからない…