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第1章 累（かさね）

いつになったらジダン交渉が成立するのか…

いつになったら慶彦の一家が家を出て新築の家に帰ることができるのか…

オヤジの言うてはることは、口から出たデマカセだから信用できるわけがない…

晴久たちシングルきょうだいの不満が日増しに高まろうとしていることにあせりを感じていた義久夫婦は、必死になりまして晴久たち３人の子供たちに説得をしていました。

もうすぐ、よい知らせが入ってくるから…

弁護士さんはジダン交渉をまとめるために、一生懸命になってホンソウしているのだよ…

あと何日かしたら、ジダン交渉がまとまるから…

義久夫婦は、３人の子供たちに見苦しいいいわけをならべて必死になって慶彦の一家を助けてくれとコンガンしていますが、義久夫婦の想いは３人の子供たちの耳には聞こえていませんでした。

どうすれば３人の子供たちにわしら夫婦の想いが伝わるのだ…

慶彦の一家が苦しんでいるのを見殺しにする気なのか…

義久夫婦は、３人の子供たちからの反発に遭うたびにそのように言い返していたので、ものすごく困り果てていたようでありました。

慶彦の一家がご厄介になってから７日目にあたる１月11日の朝６時半頃のことでありました。

家の居間には、義久夫婦と３人の子供たちと慶彦の一家がいまして朝ごはんを摂っていました。

朝ごはんを食べ終えたかずみは、慶彦の３人の子供たちを学校へ送り迎えをしたあとパートへ行くことになっていたので、３人の子供たちを連れて先に家を出ました。

かずみが慶彦の３人の子供たちを連れて家から出発してしばらく時間が経過した時でありましたが、しげよはやさしい声でしげみに言いました。