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Minerva 〜闇の社交場で生贄となった少女〜
第2章 〜私の過去、私が本当の私に気づいたのは....〜
クラス代表だった私には、彼をルールに従わせることを期待されます。

当時、私は日頃の恵まれた生活に疑問を感じ始めていた年頃でした。

恵まれた環境の中で身についた習慣や能力。

それが、やがて学校の外の世界に出たとき、果たして通用するのか。

いくら学力が高くても、マナーが身についていても、それは人の持つ能力のひとつに過ぎない。

私は井の中の蛙ではないのか。

彼には私たちの上品なルールが通用しない。

その独自の価値観と行動力。

彼のことは嫌いではありませんでしたが、日頃私が考え、焦りを感じていたことを、まさに現実に見せつけられているようで、不愉快でした。

彼の自由奔放で力強いところに嫉妬していたのかもしれません。

彼には私たちの常識が通用しない。

それをわかっていたつもりでした。

あるとき私は彼のルール違反を咎めるため、彼の行動を観察したんです。

どんなルール違反でもよかったんです。

彼は昼休みになると、教室を出てどこかへ向かいました。

昼休みが終わって、授業の途中で教室に帰ってくることもあります。

当時の私たちにはありえないルール違反でした。

彼は先生に指導されても涼しい顔で受け流すばかり。

私は彼の行動を監視しました。

彼が、休み時間、許可なしに立ち入ってはいけない体育館に行き、用具室で昼寝していることを突き止めたのです。
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