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郁美の真実 parallel story
第16章 〜早紀〜
郁美の叔父たちを陥れるため、まずは娘の早紀を利用することにした。

毎年、年末に叔父方で親戚一同が会するのが決まりとなっているが、この場を利用して、まずは早紀に接近することを企てた。

毎年この時期になると、なぜか郁美が体調を崩していることが多い。

今年も例年通り、郁美の体調は悪そうだった。

私は、年末の忙しさで郁美が疲れているのだとばかり思っていたが、大きな勘違いだった。

郁美には、かつて自分に性的虐待を加えていた叔父とその息子義彦と顔を合わせることが、精神的な負担となっていたのだ。

それを知った以上、もはや郁美を奴らに会わせるという選択はない。

どうせ来年は破滅して縁を切っていることになるであろう相手だ。

私は今年、郁美を叔父方に連れて行かないことにする。

いくらか郁美も心やすらかに過ごせるだろう。

郁美を連れて行きたくない理由は他にもある。

早紀に接近するためには、郁美の目は邪魔になる。

親戚一同が集まる3日前になり、郁美に、今年は私ひとりが叔父方に行くことを切り出した。
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