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郁美の真実 parallel story
第16章 〜早紀〜
おそらくUからのお誘いがあったんだろう。
いいタイミングだ。
これまで郁美が夜になって「買い忘れ」と称して家を出ることが何度かあった。
郁美の場合、天然なので、本当に買い忘れたものを買いに行っていることもあるが、何度かはUとの会話のためだったんだろう。
状況が変わると分かってくることも多い。
大きな目的のためとはいえ、不倫相手に妻を誘わせる羽目になるとは....
郁美が「買い物」から帰ってくると、しばらくして郁美が何か言いたそうにソワソワしていた。
まったく、隠し事の出来ない性分らしい。
そんな素振りに気づかないフリをしながら、郁美に再度言った。
「郁美さ〜。どう?おじさんとこ行くの、今年はやめたら?挨拶なんかオレがバシっと決めてくるから。」
「....」
「ん?どう?今年はゆっくり休んだら?」
「....ほんとにいい?」
「おっけーおっけー!!友だちとどっか遊びにでも行っといでよ。」
「....うん....わかった。ごめんなさい。」
(あやまらなくてもいいのに....)
どうやらUがうまくやってくれたらしい。
郁美の「ごめんなさい」は「不倫旅行に行くのごめんなさい」ってとこか。
今回は許す。
さて、環境は整った。
早紀に接近する。
相手の出方にもよるが手は考えてある。
12月30日、郁美を家に残し、叔父方へ乗り込んだ。
この大きく立派な家で年末年始を過ごすのも今年で最後になるだろう。
叔父一家は来年中には離散して逃げ隠れする生活が待っているのだから。
いいタイミングだ。
これまで郁美が夜になって「買い忘れ」と称して家を出ることが何度かあった。
郁美の場合、天然なので、本当に買い忘れたものを買いに行っていることもあるが、何度かはUとの会話のためだったんだろう。
状況が変わると分かってくることも多い。
大きな目的のためとはいえ、不倫相手に妻を誘わせる羽目になるとは....
郁美が「買い物」から帰ってくると、しばらくして郁美が何か言いたそうにソワソワしていた。
まったく、隠し事の出来ない性分らしい。
そんな素振りに気づかないフリをしながら、郁美に再度言った。
「郁美さ〜。どう?おじさんとこ行くの、今年はやめたら?挨拶なんかオレがバシっと決めてくるから。」
「....」
「ん?どう?今年はゆっくり休んだら?」
「....ほんとにいい?」
「おっけーおっけー!!友だちとどっか遊びにでも行っといでよ。」
「....うん....わかった。ごめんなさい。」
(あやまらなくてもいいのに....)
どうやらUがうまくやってくれたらしい。
郁美の「ごめんなさい」は「不倫旅行に行くのごめんなさい」ってとこか。
今回は許す。
さて、環境は整った。
早紀に接近する。
相手の出方にもよるが手は考えてある。
12月30日、郁美を家に残し、叔父方へ乗り込んだ。
この大きく立派な家で年末年始を過ごすのも今年で最後になるだろう。
叔父一家は来年中には離散して逃げ隠れする生活が待っているのだから。