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郁美の真実 parallel story
第20章 〜異変〜
私は通常より早めに仕事を切り上げて帰宅すると、郁美はまだ帰っていなかった。

もう一度家の中の異変について確認したが、変わった様子はない。

洗濯物の量から見ても郁美が帰宅していた形跡はない。

やはり郁美はどこかで外泊している。

1時間ほどすると郁美が帰宅した。

リビングで郁美を迎えると、見るからに体調が悪そうで、少し疲れた感じに見えた。

「ただいまー....」

「ああ、お帰り。ん?どうした?体調悪いの?」

「....う、うん。ちょっと疲れてるかも。今日は早めに寝るね。」

「うん、大丈夫?」

「だいじょぶ、だいじょぶ。」

全く気づかないふりをしていたが、やはり帰宅した郁美の服装は昨日と同じ服装だった。

郁美がシャワーを浴びるタイミングを見計らい、洗濯物や所持品を確かめるが、特に変わった情報はない。

携帯電話は相変わらず肌身離さずといった感じだが、これは郁美がUとの不倫関係を隠すためにやっているという理由があることを考えると、通常とは変わらない状況だった。

郁美は実際に体調がすぐれないらしく、その日は早々に寝てしまった。

次の日の朝、郁美はやはり体調が悪そうだったが、仕事に行くと言う。

「郁美、体調悪そうだね。仕事休んだら?」

「ううん、だいじょぶ。今日は大事な仕事あるから。行ってくるね。」

「....」

やはり普通ではない。

体調不良というよりは、何か悩みを抱えているといった雰囲気だ。

郁美に何かがあった。

しかし、その出来事は郁美にとって好ましくないことなのではないだろうか。

それを突き止めようにも即効性のある手段が思いつかなかった。
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