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郁美の真実 parallel story
第22章 〜再教育〜

昨年末、郁美はこの義務に違反した。
優しい夫から叔父方へ行くことを免除され、そこに大好きな不倫相手からの旅行の誘いがあった。
郁美は二人の優しさに逃げてしまったのだ。
義彦との取り決めを破ったあと、しばらく不安に駆られた郁美であったが、義彦からのメッセージはなかった。
それで、インフルエンザという病気を口実にしたことで、義彦からのとがめを受けずにすんだと思っていたのだ。
郁美が義彦の車に乗ったときにかけられた言葉。
「インフルエンザは治ったようだね」
とは、まさに郁美が義彦との密会の取り決めを破ったことを皮肉った言葉なのだった。
郁美はさらに青ざめた。
(お兄ちゃんはやっぱり約束を破ったことに怒ってる....こわいよ)
郁美はなんとか義彦の怒りを鎮めようと言い訳したのだが、義彦は聞く耳を持たなかった。
「ごめんなさい ごめんなさい」と哀願する郁美。
信号待ちで車が停まった瞬間だった。
義彦が郁美の頭に手を伸ばし、髪の毛をわしづかみにすると、そのまま郁美の顔を運転席に引き寄せた。
突然の義彦の行動に声を発することもできない郁美。
そんな郁美に顔を近づけると、義彦が大声で怒声を発した。
「なにを言ってるんだ郁美‼︎許せるはずがないだろう‼︎」
「まだ僕の言うことを聞けないんだな‼︎」
「いいさ....今日はまたしっかりと身体で覚えさせてやる....」
そう言い放つと、義彦は郁美を助手席側へ突き放した。
郁美は恐怖で震え、ポロポロと涙を流した。
その郁美の表情を見て義彦がニヤニヤと笑いながら言う。
「い....いいじゃないか郁美....そうだよ、子どもの頃から変わらない泣き顔だ....かわいいよ....あとでもっと泣かせてあげるからね....」
郁美は、もう、なんの抵抗をする気にもなれなかった。
義彦が、この後30分ほど車を走らせると、山間部の国道に差し掛かった。
車が国道から逸れる細い道へ降りると、そこには安っぽい城のようなデザインのラブホテルが建っていた。
義彦は車を駐車場に入れると、後部のハッチを開け、大きなアタッシュケースを取り出した。
そして、助手席のドアを開けた。
「さあ....郁美、わかっているね」
義彦が先ほどとは一変して穏やかな声で郁美に声をかけると、郁美は黙ってうなずき、義彦のあとを歩いた。
優しい夫から叔父方へ行くことを免除され、そこに大好きな不倫相手からの旅行の誘いがあった。
郁美は二人の優しさに逃げてしまったのだ。
義彦との取り決めを破ったあと、しばらく不安に駆られた郁美であったが、義彦からのメッセージはなかった。
それで、インフルエンザという病気を口実にしたことで、義彦からのとがめを受けずにすんだと思っていたのだ。
郁美が義彦の車に乗ったときにかけられた言葉。
「インフルエンザは治ったようだね」
とは、まさに郁美が義彦との密会の取り決めを破ったことを皮肉った言葉なのだった。
郁美はさらに青ざめた。
(お兄ちゃんはやっぱり約束を破ったことに怒ってる....こわいよ)
郁美はなんとか義彦の怒りを鎮めようと言い訳したのだが、義彦は聞く耳を持たなかった。
「ごめんなさい ごめんなさい」と哀願する郁美。
信号待ちで車が停まった瞬間だった。
義彦が郁美の頭に手を伸ばし、髪の毛をわしづかみにすると、そのまま郁美の顔を運転席に引き寄せた。
突然の義彦の行動に声を発することもできない郁美。
そんな郁美に顔を近づけると、義彦が大声で怒声を発した。
「なにを言ってるんだ郁美‼︎許せるはずがないだろう‼︎」
「まだ僕の言うことを聞けないんだな‼︎」
「いいさ....今日はまたしっかりと身体で覚えさせてやる....」
そう言い放つと、義彦は郁美を助手席側へ突き放した。
郁美は恐怖で震え、ポロポロと涙を流した。
その郁美の表情を見て義彦がニヤニヤと笑いながら言う。
「い....いいじゃないか郁美....そうだよ、子どもの頃から変わらない泣き顔だ....かわいいよ....あとでもっと泣かせてあげるからね....」
郁美は、もう、なんの抵抗をする気にもなれなかった。
義彦が、この後30分ほど車を走らせると、山間部の国道に差し掛かった。
車が国道から逸れる細い道へ降りると、そこには安っぽい城のようなデザインのラブホテルが建っていた。
義彦は車を駐車場に入れると、後部のハッチを開け、大きなアタッシュケースを取り出した。
そして、助手席のドアを開けた。
「さあ....郁美、わかっているね」
義彦が先ほどとは一変して穏やかな声で郁美に声をかけると、郁美は黙ってうなずき、義彦のあとを歩いた。

